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ラマユルの大晦日 ~真夜中のセレモニー~

2012.03.30

チベット暦の12月30日(2012年2月21日)。
大晦日です。



ラダックの新年は2ヶ月前の11月1日に祝う風習があり、年末年始には特にイベントはないと言われていました。
でも一年の最後の日。何もないわけはない。
裏付けのない予感に期待してラマユル・ゴンパ(お寺)に向かいました。
そう、スクルブチャンのゴチャックが目指しているゴンパです。



暖かいスクルブチャンに比べてラマユル周辺は標高も上がりとにかく寒い。
陽の当たらない谷間になるとそれはもう・・・道中の滝が凍っていました。



ラマユルは雪。



そんな中、まずは宿の確保。
冬は開いている宿を探すのが大変です。
ドライバーのおかげでやっと一軒。
Dragong Hotelの道向いにある“SIACHEN GH”。
開いているというか、開けさせたに近い。
冬季割引で一部屋500Rs(約800円)。朝食・夕食付きでした。
もちろんトイレは外(ローカルトイレ)、シャワーなし、電気は18時~23時のみ。
でも、泊まれるだけありがたい。部屋は小綺麗だし十分です。

一息ついていると宿の主人が、
「今夜ゴンパにリンポチェ(高僧)が来てセレモニーがあるよ。」
と。
狙い通り!
いざラマユル・ゴンパへ。



ゴンパに着いたのは夕方18時過ぎ。辺りはもう真っ暗でした。
8年前にここを訪れた時は夏のお祭り時で、遠方からの参拝者や旅行者ですごい人でした。
それが冬ともなるとこの静けさ。夜だけあってなおさらです。

さて、セレモニーはどこで開かれているのだろう?
地元人の後について行き、小さな古いお堂に辿り着きました。
入口には乱雑に脱ぎ捨てられた靴の山。
空気がざわついていました。
いい予感がする。早く中に入りたい!
「外国人が来ましたがどうしましょう?」とリンポチェに聞いているのか、外でしばらく待たされた後、入っていいとの許可が。
ぎゅうぎゅうに混み合った小さな入口を、人を掛け分けくぐり抜けると・・・



暗いお堂をぎっしりと埋め尽くす人!
皆タンガ(数珠)やマニ車(中に経文の入った円筒型の宗教用具)を回しながら、真言を唱えていました。
その声が何重にも重なり、暗闇に響く・・・鳥肌ものの空間でした。

群集は中央に位置するリンポチェに向かって円を描くように座っていました。
座る隙間がなく、ごった返す入口付近でおどおど立っていると、見兼ねたリンポチェが、
「日本人をここに座らせろ。」
と側近に指示。
連れて行かれたのは人々が囲っているど真ん中、最前列に座っている僧侶たちがリンポチェとの間に空けていた場所です。
皆の視線が集まる場所に座る。
やばい、やば過ぎるこの状況・・・



リンポチェが目の前(写真左の方です)。



リンポチェに背を向けないように座り、いや、正座しました。
お堂にやってくる人たちが、まずはリンポチェの目の前で五体投地(両肘・両膝・額を地面に投げ伏す礼拝方法)をします。
それを真横で見ながら、邪魔にならないよう荷物ごとぎゅっと小さく縮こまっていました。





僧侶と人々のお祈りは何時間も続きました。



お祈りの声が止み、リンポチェがお話を始めました。
もちろん言葉は分かりません。
でもジャパニーズという単語が聞こえて場内に笑いが起こったところをみると、話題にされたようです。
リンポチェは途中にも何度か人々を笑わすようなお話をされ、その優しい感じがダライ・ラマ法王を思わせました。

アムドやカムという単語も聞こえました。
きっと僧侶たちによる相次ぐ焼身自殺のことをお話しされているのでしょう。


人々の祈りは深夜0時まで続きます…



お腹をすかせて宿に帰ると夕食。
カレー味のテントゥク(チベット風だんご汁)。



お皿がないようで、お茶を入れる器につがれたので何杯もおかわりしました(効率が悪い)。
いい味付けですが、こんな状況なので何でも美味しいです。
いっぱい食べて体を温めて、氷点下の部屋で就寝。


翌日、早朝から再びゴンパを訪れました。
昨夜のあのお堂にもう一回行きたい。
分かっていましたが、案の定、人でぎっしり埋まっていたのが嘘のように閑散としていました。



今朝もセレモニーがあるらしく、地元のおばあちゃんが一番のりでやって来ました。
そして、そっと一人でマニ車を回し、お祈りを始めました。



一人また一人と集まって来ます。
深夜過ぎまでここでお祈りをしていたのだろうに・・・。



彼らの信仰心、信念の強さ、そこから生まれるパワーはすごいですね。