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遊牧民のスピード

2017.09.01

9月のカレンダー写真。
11年前に撮った写真。11年前かぁ〜。20代だったなw
機材はNikon D200。初めて持ったデジ一でした。デジタルに慣れず、フィルムカメラを併用していたのを思い出します。
場所はカム。アチェンガル・ゴンパ(僧侶の修行場)に向かう途中でした。5,000mの峠を越えてもう少しで目的地というところで、遊牧の大群に道を阻まれ…
後ろに車が迫っているのに、よける気配も急ぐそぶりもなく、家畜のスピードに合わせて進む彼ら。そんな悠悠とした風景に感動していました。
4年後もう一度行ったけど、やはり彼らには出会えず。巡り合わせは一期一会だなぁと。
写真を見ると、ゆっくりなその時の空気を思い出します。


遊牧民


住めば都

2017.08.05

8月のカレンダー写真。イエメン東部・砂漠地方での一枚です。
岩の上の集落はハイドゥ・アガジール。周囲には標高1,300mの卓上の大地が広がり、それを刻むようにワジ(枯れ川)が走っていました。水が満ちるのは雨季。雨水が流れ込み川になります。このワジに沿って集落が形成され、小麦やナツメヤシ、ココナッツが栽培されていました。

イエメンでは切り立った崖上にこうした集落をいくつも見かけます。部族間の争いや他国の侵略から集落を守るためだったそうです。密集した建物自体が城壁の機能も兼ねていたとか。
家の素材は日干し煉瓦。土地をこね、泥状にしてから天日干しをします。手間はかかりますが、周囲は砂漠ですからね、素材は豊富です。

とんでもないところに住んでいますよね。人の生きる術を駆使して暮らしている風景を見ると、自然に比べれば人間はちっぽけでも、その力はすごいなと感じます。


イエメンのハドラマウト地方


スピティ谷

2017.06.07

6月のカレンダー写真。
インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州にあるスピティ谷(標高4,000m)での一枚。
周りをヒマラヤ山脈の高峰に囲まれているので、この谷にはインドのモンスーン(雨季)は届きません。暮らしは、氷河の雪解け水と100kmにわたる渓谷を流れる川からの水が支えます。しかし、近年気候変動のために年々積雪量も減り、川の水は干上がりかけていました。
川に寄り添うように築かれた村。緑色の畑は、乾燥や高地に強いハラ・マタ(グリーンピース)です。茶褐色の大地にこの緑色は鮮烈でした。
そして、手前に写っているのはキー・ゴンパ(お寺)。断崖の上から撮ってますが、超高所恐怖症なので、膝がガクガクでしたw
そんな、私にとっては命がけの一枚!


スピティ谷


血が求める

2017.05.08

遅れました。5月のカレンダー写真。キルギスでの一枚。
写真の場所はソン・クルという湖の湖畔。海抜は3,016mあり、冬には湖面に1m以上の氷が張るほどの寒い場所です。でも夏は青草茂る豊かな牧草地⭐︎家畜はこの新しい草が大好き♪キルギス人たちは牧草を求めて夏の間だけこの湖畔でテントを建てて暮らしていました。
冬には山を下り、村での定住生活です。元々騎馬遊牧民である彼ら。この夏の生活こそキルギス人の生き方だ!と乳製品を頬張り、草むらに寝転がり、馬にまたがって家畜を追いかけていました。
写真の少年。まだ鐙に足も届かない幼い少年でしたが乗馬技術は半端なかったです。並行して走っていた私を乗せた車より早く走り、あっという間に草原の彼方です。かっこいい〜〜!と少年相手にマジで思いました。
人が馬を乗りこなす技術はここ中央アジアで生まれたそうですよ。


馬にまたがる少年


人と自然

2017.04.07

今月のカレンダー写真。10年前にチベット本土で撮った写真です。
西チベットの聖地カイラス山に向かうには王道の南ルートと、標高4,500mを下回ることのないチャンタン高原を横断する北ルートがあります。
北ルートを選択する人はほとんどいません。道もあってないようなもの、5,000mの大地は砂漠のように乾燥し、生き物が生存するにはとても厳しい場所です。ミイラ化した動物を何度も見ました。
しかし、こういうところにも人は住んでいるんですよね。背中に水だけを背負って広大な大地にポツンと居たり…。「この人、一体どこから歩いて来てどこまで行くつもり!?」と気が遠くなるような光景でした。
北ルートは南ルートに比べて湖の数が多いのも特徴でした。そのほとんどが綺麗な青色の塩湖で、塩分の塊が氷河のように湖畔に積もっていました。
この水はそのまま飲料水には出来ませんが、湖畔にはかろうじて草が生えていました。遊牧民たちは牧草を求めて、或いは塩の採取のために、春になるとここに移動して来るそうです。
写真は水を背負って家畜を追う遊牧民の姿です。自然もですけど、人間も、すごいです。


チャンタン高原の遊牧民